NGC

CASE STUDY

vol.

03

BASEクリエイティブの基盤をつくる

CG黎明期からのタッグで、テレビ局の最先端に挑みつづける。

株式会社テレビ朝日 様

CG黎明期の頃からのお付き合いとなる、株式会社テレビ朝日様。CGの制作と設備の構築を行っている部署で、番組タイトルからテロップ、VRセットなどを制作されています。2003年に社屋が新しくなり、大規模な設備導入が必要なタイミングでご相談を受けました。CG・VFX・映像制作における基盤インフラの全体構築から、アプリケーションやハードウェアの開発・構築・保守などをご提案。現在も保守を行いつつ、最新ソフト・機材も引き続きご提供させていただいております。今回は、当時からご活躍されていたご担当者様おふたりと弊社現担当者でお話を伺いました。

アナログからデジタルへ。
過渡期に挑んだ、大規模インフラ構築。

左から、弊社野原、テレビ朝日矢野様、山本様(以下、敬称略)

プロジェクトのきっかけと具体的な内容を教えてください。

矢野

2003年、弊社が新しい社屋を建てることになったタイミングでのご相談でした。CGデザイン室を設けることになり、新たにCG制作の基盤となるインフラを構築していただきました。ちょうど時代はアナログ放送からデジタル放送に変わっていこうというタイミング。BSはあったけど地上波はデジタル放送が始まっていない頃。テレビ局的にも過渡期を迎えていました。ディスクレコーダーやレンダリングサーバーなどを本格的に導入しようというのが2003年でした。それが大きなプロジェクトのひとつで、以降も大変お世話になっています。

山本

そもそもエヌジーシーさんとの出会いはですね、“シンボリックス黄金時代”と呼ばれる頃に遡ります。ソフトもハードもつくっている映像制作専門のコンピュータ製造会社、シンボリックスがアメリカにありまして、その日本代理店がエヌジーシーさんでした。3DCGアニメーションとコンポジット・ペイントができる“XL-1200”など、放送におけるCGシステムの先駆け的なことをされていて、他局も導入していました。

矢野

アナログからデジタルというと、いまでは当たり前ですが、その当時は詳しい会社さん自体が少なかったのです。テレビ局としてもSDからHDへの移行期で自分たちよりも業界に精通している方とプロジェクトを進めることは大前提でした。

 

“SD・HD、どちらも対応したい。”
手厚いサポートで、いち早くFlameの導入も実現。

当時の状況を詳しく教えてください。

矢野

解像度がSDからHDになる過渡期のタイミングでした。つまり、HDは一部のみであまりラインナップがない時代。基本的な運用はまだまだSD。しかし徐々にHDに移っていく時期のため、どちらも対応しないといけないというのが大きな課題でした。

山本

さらにFlame(※1)を導入したいという要望もありました。VFXを自社でできるように考えていて、それが可能な会社を探していました。全体的な基盤インフラ構築に加えて、そのあたりのことが理解いただける会社を探していました。

野原

Flameは弊社の強いところでもあります。製品だけなら扱えるところはたくさんあるのですが、製品の特性上ハードの不具合が起こりやすい。それはリアルタイム性が製品の特徴なのでどうしても仕方ないのです。

山本

そうですね。Flameはリモートで監視してもらい、もし不具合が起こってもすぐに対応・相談させてもらっています。当時はよく来てもらっていましたが(笑)、だからこそ導入時もそこまでの混乱がなかったのかと。一緒に整えてもらったという印象です。

矢野

エヌジーシーさんにご相談したのは、昔からやっていらっしゃるという信頼感・安心感から。当時は詳しい会社が少なかったというのも事実ですが、テレビ局はいろいろな機材を使うので、それに対応してもらえるというのが本当に助かります。

山本

新しいソフトがでてきてもネットでしか買えないことはよくあります。そんななかで海外の製品を調達してくれたり、リリースのタイミングではセミナーを開いてもらったり、全面的にサポートしてもらえるところが心強いです。

野原

ありがとうございます。システムに関してはテレビ朝日さんの方でも知識をお持ちですので、弊社側ではどういう構築でどういう更新のタイミングでというのを細かく理解しておいて早急にご対応・ご提案できるということが大事だと思っています。

(※1)高速かつインタラクティブな、ビジュアルエフェクトフィニッシングと3Dコンポジティングのツール。

 

放送機器への理解で、基盤定着をスムーズに。
いまも生きつづけるシステム設計。

忘れられないエピソードはありますか。

山本

CGを触りだした頃はインターネットがない時代だったので、情報がなく、頼りになるのがエヌジーシーさんのサポートのみでした。知識がトップクラスの方ばかりで非常に助けていただきました。当時こんなことがありました。アナログのハイビジョンでテープに収録することがあって、1インチのリールテープに収録する方法がわからなくて。試行錯誤していたときに、エヌジーシーさんがプログラムを書いてくれたらVTRが動き出した!ということがあったのです。

野原

インチのHDがあったんですね!

山本

社内の技術的なサポートも行ってもらっていました。困るとすぐに電話して助けてもらって。あの時代を一緒に生きたという感覚ですね。

野原

SIer(エスアイアー)というのは2通りありまして。コンピュータに詳しいSIer、放送機器に詳しいSIerと分かれていることが多いです。弊社にはどちらの人間もいて、日頃から共有をしています。ただPCでCGをつくるだけではなく、放送品質の映像に変換して収録する、というところを理解できていないと難しいのかもしれません。

矢野

2003年のときも、部屋がからっぽの状態からゾーニングも含めて設計してもらいました。作業卓も特注でつくっていただいたり、人数に合せて机の大きさや配置も決めたりと。CGの知識だけじゃないというところが嬉しいですね。

野原

要件に合せて部屋のなかをつくっていくというのは弊社の得意分野なんです。スタートアップするときには、ハードからサーバーまで構築していくこともあります。

矢野

機材はもちろん更新しているのですが、設計自体は当時といまも変わっていないんです。

 

オリジナルの受注管理システム『CMS』で
他部署との連携も、より円滑に。

近年、もうひとつご依頼したプロジェクトがあるようですが。

山本

昨年、受注管理システムのCMS(※2)を大きくリニューアルしました。番組ごとに工数や発注先、メンバーの数、作業の進捗管理など一元的に見ることができるWebのデータベースです。要件を聞いてもらって、完全オリジナルでつくっていただきました。

矢野

業務マネジメントのツールは他社さん製品でもたくさんありますが、過剰な機能がついていたり、使いづらいところがありました。いろいろな部屋から登録して管理するというところに見合わず、どうしても運用に合いませんでした。

山本

社屋の規模も大きくなってきてCGが他の部署と連動して動くことも多くなったため、相談したのです。すぐに「できます!」というお返事をいただいて。案件を可視化する重要なツールとして使っています。業務マネジメントの類までやられているというのが凄いなぁと思います。

(※2)テレビ朝日様の局内CG各室の受注情報をWeb上で一元管理するシステムを「CG制作管理システム」と呼ばれており、その略称。

 

チャレンジする気持ちを忘れず、最善を模索。
映像業界の発展に貢献していく。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

矢野

この2〜3年で映像の範囲がますます広がっています。4Kは解像度が大きくなるだけなのでFlameも対応し規格も確立していますが、HDR(※3)はまだまだ。テレビの標準にはまだなっていないものでも、新しい流れに対応していかねばなりません。その一番良い方法を、今後もエヌジーシーさんにご相談していけたらと思います。

山本

最近は360°カメラやVR(※4)が話題で、エヌジーシーさんではサイネージにも力を入れているとのことなのでいろいろとご相談させてもらっています。私たちもただ放送で番組をつくっているだけではなくて、リアルイベントなどインタラクションコンテンツに携わる機会も多くなってきています。新しい技術をご提案いただきながら、これからも一緒に新しいものをつくっていければと思います。

野原

2003年のときも挑戦の部分があったと思います。今後VRやHDRと新しい技術がどんどん出てくる映像業界で、いつでもご相談いただけるよう、チャレンジしながら理解を深めてお力になれるようにしたいと思います。

(※3)ハイダイナミックレンジ。映像に記録できる明るさ情報(輝度)のレンジを拡大する高画質技術。現実に近い光を表現することができる。

(※4)バーチャルリアリティ。仮想現実。コンピュータなどでつくり出されたバーチャルな空間をまるで現実であるかのように体験することができる技術。