LEDディスプレイとは?特徴や仕組みの解説
LEDディスプレイはデジタル形式の電子掲示板のひとつです。
屋外スタジアムや駅で情報伝達ツールとして設置されているのを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。LEDディスプレイの導入を検討する際、特徴や仕組み、液晶ディスプレイとの違いを知らなければ、使用目的と合致するか判断できません。
この記事では、LEDディスプレイについての基礎知識などについて紹介します。
■LEDディスプレイとは
以下では、LEDディスプレイがどのようなものかについて紹介します。
・LEDディスプレイとは?
広告や情報をデジタル形式で表示する大型ディスプレイのことをデジタルサイネージと呼びます。LEDディスプレイはデジタルサイネージの一種であり、商業施設、公共交通機関などをはじめ、さまざまな場所で情報発信ツールとして使われるようになりました。
高輝度、高コントラスト、高発光率で視認性に優れています。
・LEDディスプレイの仕組み
LEDは、電気を通すと自発光する半導体素子のことです。”Light Emitting Diode”の頭文字を取り、日本語では「発光ダイオード」と呼ばれています。LEDディスプレイはLEDを一定のピッチ(間隔)で並べて画面として構成されたものです。
LEDディスプレイでは、色を表現するLEDチップがそれぞれ自発光し、LEDの一つひとつが「ピクセル(画素)」となってディスプレイを構成する仕組みになっています。
・液晶ディスプレイとの違い
LEDディスプレイと液晶ディスプレイは、そもそも光源が異なります。
液晶ディスプレイは個体と液体の両方の性質を持ち合わせたディスプレイ媒体で、Liquid Crystal Display(LCD)とも呼ばれています。液晶ディスプレイは液晶物質に電圧を加えることで透過率が変化する性質を使ったディスプレイ媒体です。
一方、LEDディスプレイは先述した通り、発光ダイオードを用いたディスプレイ媒体で、電気信号によりLEDそのものが発光します。LEDは光の三原色といわれる赤・緑・青の3色のいずれか単色でしか発光できず、近くで見るとモザイクアートのように見えます。
■LEDディスプレイの強みと特徴
LEDディスプレイの強みとして6つの特徴が挙げられます。
・明るい場所でも視認性が高い
LEDディスプレイは、明るい場所でも視認性が高いことが強みです。
LEDは自発光するため、屋外や日中など明るい場所で使用できるほど高輝度で、液晶ディスプレイやプロジェクターなど他の映像装置と比較しても画面を明るくできます。
視認性に優れていることで、他の広告媒体よりも目立ちやすく、離れた場所からも目に留まりやすいので、高い宣伝効果が期待できるでしょう。
・レイアウトやサイズ展開が豊富
レイアウトやサイズ展開が豊富で自由度が高いのもLEDディスプレイの強みです。
LEDディスプレイは、LEDを一面に等間隔(ピッチ)で並べて画面を構成するため、画面をつなぎ合わせる縁(べセル)がなく、大きさに制限がありません。
そのため、さまざまな形状が作りやすく、複数のLEDディスプレイを使用して大きな画面を制作しても美しい映像を表示することができます。
細長い形や多角形など他のディスプレイ媒体では対応できない複雑な形状も、LEDディスプレイであればつなぎ方次第で対応可能です。
・耐久性に優れている
LEDディスプレイは、液晶よりも耐光性に優れていて、紫外線を浴びても劣化しにくい特徴があります。一般的なディスプレイ媒体は紫外線が当たる場所での使用は難しいですが、LEDディスプレイは耐光性の高さから屋外ディスプレイとしても用いられるようになりました。また、LEDディスプレイには防塵、耐水など必要に応じてさまざまなオプションを付けられることも特徴です。
・故障時のリスクが低い
LEDディスプレイは故障した場合、故障した箇所のみを交換して修理が可能です。
一方、液晶ディスプレイでは画面に不具合が起きた場合、基本的には丸ごと交換が必要となるため、部分的な修理で対応できるLEDディスプレイは故障のリスクを低く抑えられます。
・一枚板以外の設置にも対応
LEDディスプレイは、さまざまな形状を作ることができます。
LEDディスプレイは複数枚をつなげるだけでなく、曲線にも設置できるのが特徴です。形状の自由度の高さはLEDディスプレイ最大のメリットと言っても過言ではありません。さまざまな形状に対応することができるので、空間演出としても高い効果が期待できるでしょう。
・コスパに優れている
LEDディスプレイは、液晶ディスプレイなど他のディスプレイ媒体と比べると、本体価格や導入にかかる初期費用が高額なものの、耐久性が高く、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。
一般的に液晶ディスプレイの寿命は約3万時間とされているのに対して、LEDディスプレイは約5万時間とされているところからも、耐久性の高さが窺えるのではないでしょうか。
■LEDディスプレイのデメリットや注意点
LEDディスプレイにはデメリットや注意しておきたいこともあります。
・初期費用が高額になりやすい
本体価格が高額なので初期費用は高額になることが多いです。特に、LEDディスプレイは屋外や高所で用いられることが多く、防塵・防水加工による追加料金、工事費用に注意しましょう。高所の設置には足場組立などが必要なので、工事費用も高額になります。
・熱には弱い
LEDディスプレイは、屋外の使用に適していますが、表面温度が50度を越え、熱がこもる設置環境で長時間使用すると故障のリスクが高くなります。屋外に設置する際は使用環境を見直し、排熱に問題がないかを確認してから使用しましょう。特に、日本の夏は酷暑が続いており、対策が必要です。
・解像度を重視する場合は適さない
LEDディスプレイは、LED自体が発光することで映像を映し出すため、解像度をあげるにはピッチを狭くして、LEDの数を増やさねばなりません。解像度は液晶ディスプレイのほうが優れており、LEDディスプレイは設置場所によっては画像の粗が目立ちます。視認距離が近い場合は注意しましょう。
■知っておきたいLEDディスプレイに関する基礎知識
LEDディスプレイの導入を検討する際に知っておきたい基礎知識は以下の通りです。
・ピクセルピッチ(ドットピッチ)
ピクセルピッチはLED素子間の間隔のことを指し、ドットピッチも同じ意味で使われます。解像度の高さは、面積あたりのピクセルピッチの密度によって決まります。ピクセルピッチが狭いほど解像度は高くなりますが、液晶ディスプレイのように至近距離でも滑らかな画像にはなりません。
・輝度
輝度とは、光の強さの度合いのことです。輝度が高いほど明るくなり、設置場所によって必要な輝度が異なります。
特に外光の影響を受ける場所では、輝度が低いと視認性も下がり、思うような効果を得られません。
・視野角
視野角とは、画面の視野の角度のことです。LEDディスプレイを上下左右の正面からずれた位置から見るとき、画面の色や明るさが視認できる最大の角度を指します。上下方向の角度の広さは「垂直視野角」、左右の角度の広さは「水平視野角」と呼ばれます。
・視認距離
LEDディスプレイの映像を見せたい相手から、LEDディスプレイまでの距離を視認距離といいます。視認距離による適正なドットピッチは「ドットピッチ(mm)=LEDディスプレイまでの最低適正視認距離(m)÷1.16」の計算式で調べることが可能です。LEDディスプレイは大きさと画素ピッチによって値段が変動するので、事前に計算して調べておきましょう。
■LEDディスプレイの活用事例
LEDディスプレイの活用事例について、よく使われる場所ごとに紹介します。
・企業や店舗のPR
人が多い場所にLEDディスプレイを設置し、商品やサービスの情報を流すことでPRとして活用できます。ショーウィンドウの代わりに利用することもでき、繁華街では近年導入数が増加しています。
近年では大型商業施設での導入も進んでおり、イベント情報や店舗情報などさまざまな情報の発信源として活用されるようになりました。
・屋内外の空間演出
視認性が高く、レイアウトの自由度が高いため、スタジアムや競技場では空間演出に用いられています。昨今ではアーティストのライブやコンサートでも使われるようになりました。大画面で迫力がある演出もLEDディスプレイの活用方法に適しています。
また、店舗で使用する場合、店内のイメージにあった映像を流すことで、ブランドの確立にも役立てられるでしょう。
・オフィスの情報共有ツールとして
オフィスでは、エントランスでブランドのイメージの訴求や、会議でプロジェクターや液晶ディスプレイの代わりとして使用されています。
また社員食堂など従業員がよく利用する場所に導入することで、社内情報の共有ツールとしての需要も高まりました。音声と併用することで、より高い伝達効果を発揮します。
・インフォメーションツールとして
高い視認性が強みのLEDディスプレイは、駅や空港などの公共交通機関で時刻表や案内掲示板として普及が進みました。多言語での表示や写真を用いた内容を掲示することもできるので、観光地でも活用されています。また、災害時には緊急速報を流すツールとして使用されたこともありました。緊急性が高い情報の共有手段としても、LEDディスプレイへの需要が高まっています。
■まとめ
LEDディスプレイは視認性の高さから屋外での活用が可能です。
LEDディスプレイの導入を検討する際は、LEDディスプレイの特徴だけでなく、使用環境や使用目的を加味することをおすすめします。
株式会社エヌジーシーはLEDディスプレイの豊富な導入実績により、企業様ごとに最適な提案が可能です。導入をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。