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WORKS

実績紹介

制作・ポスプロ

クラウド型スケジュール管理システムと連携し業務効率化

株式会社テクノマックス 様

テレビ東京グループと連携し、スタジオ・中継・ロケ・ニュース取材など各種番組の制作技術、放送局の送出技術、編集・MA のポストプロダクションを業務とする。放送業務に加え、コンサート、舞台、イベントの映像制作や配信技術、ドローン撮影など幅広い業務を手掛ける総合技術会社。
本社:東京都品川区東品川1-3-3 テレビ東京天王洲スタジオ5F
テクノマックス ビデオセンター:東京都港区虎ノ門4-3-9 住友新虎ノ門ビル4F
設立:1998年4月1日
従業員数:243名(2020年11月1日現在)
URL:https://www.t-max.co.jp/

  • 株式会社エヌジーシー
    BSI事業部
    営業2課、R&D課

概要

 各種テレビ番組の技術業務を担うテクノマックス様は、ポストプロダクション業務の拠点であるビデオセンターの移転に伴い、スタジオの利用情報を電子的に掲出するサイネージを導入。

 紙で情報を掲出していた頃には、日々の掲出から情報の修正対応まで人手がかかっていたが、これらを自動化。NGCのクラウド型のスケジュール管理システム「RISINGC」と連携することで、スケジュールの登録から修正、掲出までをスタッフは場所を問わずに実行できるようになった。

課題と背景

・スタジオごとに利用案内を紙に印刷して掲示する作業が負担に
・掲示前に到着するお客様に対応できず、変更時の用紙の張り替えや切り貼りも手間
・移設時の2拠点運用におけるスケジュール管理の整合性維持に不安
・ビデオセンターの移設を機にサイネージの導入を検討

導入製品・サービス

スケジュール管理システム「RISINGC(ライジング)」

導入の決め手と効果

・スケジュール管理のクラウド化を検討、サイネージ対応も可能な「RISINGC」に着目
・サイネージ化でスタッフの作業を毎週10時間削減が可能に
・スマートフォンで場所を問わずにスタジオ利用の登録や変更が可能になり業務効率化

スケジュール管理とスタジオ案内の掲出の業務効率化が課題

 テレビ放送の全般に関わる総合技術会社のテクノマックスでは、ポストプロダクション業務を行う「テクノマックスビデオセンター」(以下、ビデオセンター)を2019年度に移設することになった。
その際に、従来の紙のスケジュール台帳を利用したスケジュール管理から、ITシステムを利用したスケジュール管理への移行の検討を始めた。

 ビデオセンター センター長 兼 部長の小島壯介氏は、「スケジュール管理は元々、多くのポストプロダクションと同様に紙のスケジュール台帳を使って行っていました。ところが、ビデオセンターを移設することになり、一時的に複数の拠点でスタジオの管理をしなければならなくなりました。移設時の業務を円滑に行うとともに、移設後の業務の合理化を考え、スケジュール管理のシステム化を検討しました」と当時を振り返る。

 同時に、スケジュール管理に関連する業務として、ビデオセンターに用意する複数のスタジオ(編集室・MA室など)の入り口に、当日の利用者や利用時間などの情報を掲出する業務の効率化も検討した。
「従来のビデオセンターでは、ポストプロダクションのスタジオが増えて、ビルの3フロアに点在していました。毎朝、当日のスケジュールをスケジュール台帳で確認して各スタジオの入り口に掲出する紙を印刷し、各階に貼りに行く作業がありました」(小島氏)。日々の掲出作業だけでも手間がかかるが、実際にはスタジオの利用変更などが頻繁にあり、その都度スタッフが掲出した用紙を切り貼りして、変更後の情報に合わせるといった人海戦術での対応も求められていた。さらに掲出は朝の10時の営業開始時点までに行うが、初来訪のお客様は早くに到着していてどのスタジオに行けばよいか迷うような事態も発生していた。

 小島氏は、「ビデオセンター移行期にスケジュール管理システムの導入を検討した際に、移設後のビデオセンターではサイネージによる利用情報の自動掲示がアイデアにあがっていました」という。

 ポストプロダクション向けのスケジュール管理のシステムを調べていくと、オンプレミスでシステムを作成して導入しているプロダクションが少なくない中で、NGCのクラウド型のスケジュール管理システム「RISINGC(ライジング)」に着目した。「RISINGCの話はこれまでも耳にすることが多くありました。自社でシステムを作成する方法もあるでしょうが、クラウド型のシステムならばシステム管理や運用に手をかけずにスケジュール管理が可能で、スタッフはどこからでもシステムを利用できると考えました」(小島氏)ということから、具体的な検討に入った。

クラウド型スケジュール管理システムと連携したサイネージを導入へ

 テクノマックスはRISINGCの提案を受けたところ、「最初の打ち合わせで話を聞いてすぐに使ってみたいと思いました」と小島氏が振り返るように、求める機能を備えていることがわかった。
スケジュール管理機能としては、クラウド型でありスタッフが場所を問わずに登録や確認ができる。ビデオセンターの移行期には複数の拠点でスタジオ利用を管理しなければならないので、場所にかかわらず情報を共有できることは重要なポイントだった。その上で、「新しいビデオセンターは着工前の段階でしたが、入り口の大型サイネージだけでなく部屋ごとの個別サイネージを導入したいという構想があり、クラウドのスケジュール管理サービスとサイネージをスムーズに同期できそうだということから、RISINGCの導入を決めました」(小島氏)。

 まず、RISINGCを旧ビデオセンターで導入し、スケジュール管理のクラウド化を先行させ、新ビデオセンターの完成とともにサイネージの運用を開始するという段取りで作業は進んだ。
旧ビデオセンターでは、スケジュール管理のクラウド化と同時にサイネージ用のパネルとスティック型パソコンを導入し、事務所内でスタジオの利用情報の表示機能をテスト利用した。

 新ビデオセンターでは、計画通りに入り口に大型のディスプレイを使ったサイネージを2台用意するほか、7つの編集室と3つのMA室など計14室のスタジオの入り口にタブレット端末によるサイネージを設置し、利用者がどのスタジオを利用すれば良いかがひと目でわかるようにする。表示する情報は、サイネージ端末からRISINGCのスケジュール管理データに定期的にアクセスして取得する。

お部屋ごとの個別サイネージシステム

 苦労したのは、画面への情報の表示の仕方だった。旧ビデオセンターでテスト版を使いながら、新ビデオセンターのサイネージに表示する情報についての調整をしていった。小島氏は、「番組名が長い番組から短い番組まであり、見やすい表示を納得がいくまで検証して調整してもらいました。スタッフ名を掲出する要望を出したところ、こちらはすぐに反映してもらいました。また現在の利用情報だけでなく次の予定も表示するようにすることで、作業や撤収にどの程度の時間的余裕があるかを伝える工夫もしました」という。預かり物が事務所に届いていることなどをサイネージに表示させる機能も作りこんだが、「スタジオ内にはスタッフが常にいるので、実運用では使っていないですね」と小島氏は苦笑いする。

 2019年3月、新ビデオセンターのオープンと同時に、RISINGCと連携したサイネージの運用が始まった。
オープンしたときには、「他ではあまり見かけないもので先進感があり、おおっ!という利用者の反応がありました」(小島氏)。

毎週10時間の「顧客サービスのための時間」が生まれる

 テクノマックスでは新ビデオセンターのオープンから、取材時点(2020年10月)まで約1年半にわたりRISINGCとサイネージの運用を続けている。
同社は実際の効果をどう評価しているのだろうか。小島氏は、「人手をかけずに利用情報を掲出できることが最大の効果です。毎朝、データを入力して、プリントアウトし、各スタジオに紙を掲出しにいく手間が完全に自動化できるようになりました」と語る。これだけでも、毎日2時間ほどのスタッフの作業がなくなり、「積み重ねると1週間に10時間は別の仕事ができることになります。お客様サービスに時間を割り振れることは大きなメリットだと感じています」(小島氏)。毎朝の定例の作業が自動化でき、10時のオープンの2時間前の8時に自動的に当日の最新情報に切り替わる設定にしたことで、スケジュールに余裕を持って来訪した顧客にも確実に利用情報を案内できるようになった。

 スタッフ側のメリットも大きいという。RISINGCの導入により、紙のスケジュール台帳を確認しなくても予約や変更に対応でき、最新の情報がサイネージに反映されるためだ。休日などに予定変更があると、これまでは担当スタッフが出勤しているスタッフを探して、掲出している紙の情報を切り貼りして修正してもらわなければならなかったが、サイネージ導入後は自宅からでも修正しサイネージの表示を変更することができる。

 「紙のスケジュール台帳で管理していたときよりも、サイネージがお客様を間違いなく案内してくれる安心感が高まっています。また、スマートフォンでもスタッフが情報を共有して逐次確認できるので、万が一スケジュール上の問題があっても皆が確認し迅速に修正できる体制になりました」(小島氏)。

 2020年に世界中に襲いかかった新型コロナウイルス感染症の拡大に対しても、RISINGCとサイネージを連携したシステムを構築していたことは有効に働いた。出社するスタッフを制限せざるを得ない状況の中で、スケジュール管理やスタジオへの情報掲出のための出社が不要になっていたためだ。紙を掲出するという物理的な接触もなくせた。一方で、「コロナ禍によりデータのトラフィックが増えて、サイネージからクラウドに情報を取りに行く際に失敗することが発生しました。その時は、データをバッファリングすることでネットワークが切れても情報が表示されるようにNGCにプログラムを改修してもらいました」(小島氏)という場面もあった。

 小島氏は、RISINGCとサイネージの導入効果を総括してこう語る。「コスト対効果は明確には算出していませんが、DX(デジタルトランスフォーメーション)ならびに、コロナ対策という意味でも、早めにデジタル化しておいて良かったと感じています。今から考えると、スタジオの前に紙を貼って回るという行為自体が遠い昔のことのように思えます」。

 今後については、ポストプロダクション自体のあり方も変化が求められていくと小島氏は語る。「これまで当たり前だった編集室の中にコンピューターがある形態が前時代的になってきて、マシンルームのコンピューターリソースをどの編集室にアサインして使うかという時代になっています。機材やリソースの割り振りもスケジュール管理システムに乗せていくことを考えなければならないでしょうし、コロナ禍で重要度が高まったリモート編集への対応も必要になるでしょう。スケジュール管理システムも、業務をより総合的に管理する方向に進化していくことが求められると感じています」。コロナ禍がきっかけとなって働き方改革を含めたポストプロダクション業務の変革が求められるなか、NGCが提供するシステムにも進化が期待されているようだ。


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